知って得する色彩クイズ
いつも見慣れた色ですが、実は色々な場面で目的があるんです。
知っていれば・・・ちょっと友達に自慢できるかも??
それをクイズ形式でちょっとだけご紹介
第一問
このサインは、札幌のとある場所のサインです。
どちらが見やすいですか?また、その理由は?
答え:
右の例です。
その理由は、明度差にあります。
ちなみに、施設開設当初は、明度差がないサインで、見えづらく、利用客から要望があり、右のように変更しました。
(これは、あまり、お金のかからない方法ですね。明度差のないところを黒い線でセパレーション(※1)しています)
色彩とはまったく関係のない話ですが、自動販売機やトイレのサインの取り付け位置がすごく高いところにあり、背の低い方や高齢者には探しづらくなっています。
バリアフリーの観点から考えると、いつか、取り付け位置が低くなればいいのになと見かけるたびに思っています。
第二問
ヨドバシカメラの看板。赤と緑を使っていて、補色の関係ですが、これを見やすくするためにある工夫をしています。それは何ですか?
答え:
一般には、補色を使用すると対比的な配色になり、見やすくなると考えられています。
ですが、明度が同じものだとハレーション(※2)をおこしてしまい、逆に見づらくなります。
この看板の例では、白で縁取りすることにより、セパレーション(※1)効果を使い、みえやすくなっているわけですね。
第三問
高齢になると8割以上の人が白内障になるといわれています。
向かって左が黄色の手すり、右側が黒の手すり。
これが、白内障になるとどちらの手すりがみやすいですか?また、その理由は?
答え:
右の黒い手すり
ちなみに、これは、白内障の疑似体験セットを装着したときの画像。
高齢者の注意を促す場所には、明度差をつけることが特に大切です!
なので、答えは、白い壁紙と明度差がある黒い手すりの組み合わせがみやすいことがわかりますね。
第四問
色彩心理の分野からの問題です。
あなたが、外科的な手術を受けて入院しているとします。
どの絵がかかっている部屋が一番痛み止めの投与の量が少ないですか?1 幾何学(ダリなどのシュールな絵)
2 風景画
3 人物画
答え
2の風景画です。
アートカートシステムといって、アメリカでは、たとえば、同じバイパス手術をした人の術後に、入院している部屋に飾る絵で、痛み止めを処方される量がまったく違うといった研究がなされているようです。
風景画を飾っている部屋が、一番痛み止めの処方をする量が少ないことが知られているようです。
私がこれについて知ったのは、20年近く前ですが、日本にもこのような考え方が早く普及するとよいですね。♪
用語解説
(※1)セパレーション・・補色同士の組み合わせで見苦しいときや、逆にそれぞれの色がはっきりとせず、ぼやけて見えるようなときに境界部分に色を加えることによって、仲を取りもって調和を得る方法
(※2)ハレーション・・・2色が補色対比になっている場合、背景色に囲まれた対象の色の彩度が増して見えます。その2色の関係がより鮮やかに見え、色の境界がぎらぎらして見えづらくなっていることをいうこと