インテリアの色彩設計

皆さんが、もし入院することを考えた場合、どのような部屋に入院したいですか?
無味乾燥な天井・壁も真っ白の部屋に入院したいでしょうか?

最近は、患者さんのニーズを考えて、素敵な色合いの病室が増えているのが現状です。

ポイントはいくつかありますが、ただきれいな色彩にすれば良いというわけではありません。本来であれば、そこに入院する患者さんの病状も考えることが望ましいです。

例えば、模様のある壁紙。
認知症の症状がある高齢者には、虫のように見えてしまうこと。
また極端な例ですが、その壁紙が、ぶどうのような食べ物の柄などだった場合、壁紙を引っかいて食べるような行為をすることもあるでしょう。

C.W.Iでは、福祉住環境コーディネーターやホームヘルパーの資格を有するスタッフが、それぞれの病状も考慮したうえで色彩提案をさせていただきます。

もちろん、住宅なども同様に、パーキンソン病の方には、それに応じた色彩設計をご家族の方と相談した上で、提案してまいります。

色彩設計の流れ

プライベートルームの場合
  1. 好きな色、インテリアイメージを聞く
  2. 例)私は、黄色が好きなので、その色を使ってほしい。インテリアイメージは、「プロバンス」など

  3. その部屋の目的を考える
  4. 寝室なのか?書斎なのか?
    例)書斎であるので、ゆっくり眠ることなどをあまり考慮しなくてよい。また、寝室にビビッドな色を使用すると血圧が上昇し、就寝に適切ではない。

  5. 実際の色彩計画
  6. カラースキームを提出
    例)実際の部屋に使用する家具や小物、床材・壁装材・天井など、目に見える形で提案させていただきます。

  7. インテリアエレメント(要素)の決定
  8. プランの手直しなどを経て、家具・床・壁・天井などインテリアエレメントを決定します。

  9. 購入/発注の決定
  10. プランに沿って、ご自身で購入していただくか、発注していただくかを決定します。

  11. 場合によっては、色彩管理を行います。
  12. たとえば、外壁材が思うような色に塗れているか、現場に赴き、正確な色彩管理を行います。
    (お施主様が立ち会えない場合など)

  13. 色彩監理終了

色を選ぶ上でのワンポイントレッスン

色の効用とインテリアの色彩設計

これは、一例を挙げたもので、その効果を必ず保障するものではありません。
また、その色相を室内で使う分量などを考慮し、トーン(明度と彩度を組み合わせた概念)などに対する知識も必要である。

<赤>

赤は、血圧を上昇させる効果とともに、時間が本来よりも短くなると感じられます。

  • 使用が想定される場所

オフィスの会議室 会議時間が短く感じられます。
飲食店 お客さんの回転率が上がります。

<青>

青は、血圧を低下させるとともに、眠りを誘います。

  • 使用が想定される場所

寝室 不眠症、高血圧の治療

<緑>

赤と青との中間で、ストレス解消および血圧の調整に役立ちます。

  • 使用が想定される場所

リビング、マッサージ店

<黄>

コミュニケーションを活発化させ、意見などもどんどん出てきます。

  • 使用が想定される場所

イベント会社の会議室、カウンセリングルーム

<紫>

病気の治癒を促し、神経細胞を活性化します。

  • 使用が想定される場所

寝室 病室

<ピンク>

幸福感を感じる色。

  • 使用が想定される場所

保育園、幼稚園、子供部屋、寝室 病室

<橙>

気分の高揚を促す色(甲状腺機能を活発化させる色)

  • 使用が想定される場所

食事室、飲食店


一口メモ

美空ひばりが病気から復活して芸能活動に戻ったとき、「紫狂い」といわれるほど、衣装やインテリアを紫だらけにしたといわれています。
このことは、紫を身につけることが、その色の効果で、病気の治療を促していたのではないかと考えられています。

また、アメリカの刑務所内のインテリアをピンクにしたところ、以前より もめごとが少なくなった例があります。
これも、ピンクという色が大部分の人には、幸福感を与え、優しい気持ちになったからといえるのではないでしょうか?